骨伝導イヤホン
先日骨伝導のイヤホンについて質問を受けました。
「骨伝導のイヤホンは体に害はないのか」
「わかりません」と答えました。
害と言えるかどうかは不明です。ただ、負担を掛けることは事実です。
どこに負担を掛けるのか?
神経の伝達経路にさまざまな負担が掛かるだろうと思いますが、最終的には平衡覚に負担が来るだろうと考えています。
平衡覚は骨内器官といいます。耳のところにある「側頭骨」という骨の中にある器官によって感知されるものです。
最初の図が側頭骨。その中に入っている骨迷路という平衡覚器官は骨の中に組み込まれている器官です。
平衡覚器官が埋め込まれている側頭骨の構造を考えると、人類の進化のすごさをしみじみと感じてしまいます。
もし、平衡器官がふわふわした軟組織の中にあったなら、体軸の傾きを正確に感知する事は難しいでしょう。
さらに、骨の中に埋め込まれたことによって、体に伝わるさまざまな振動を骨伝導として感知することができます。
通常は意識することなく生活している地球情報の中には、微細振動として神経組織や骨伝導を通して平衡覚器官を経由して脳へ入力されるものがたくさんあります。
人類が大自然の中でおおらかに生活していた時代は終わりました。人工的に作られた騒音や雑音の中で暮らす私たちは、そうでなくても聴覚や平衡覚に負担をかけています。
特に敏感な人は別として、骨伝導のイヤホンが直接的にすぐさま害になるとは思えません。しかし、微細振動をキャッチする繊細な機能である平衡覚に負担をかけるであろうことは、
容易に想像できます。