疲労感
疲労感は全身で感じるもの
ひどく疲れたとき「泥のように眠る」といいますね。
そんな時は起きていても全身が重く、泥の中に引き込まれるような感じがします。
「疲れ」というのは全身に感じるものです。
しかし、疲れている体をみると、全身が疲れているわけではありません。
感じるのは全身でも、疲れているのは部分です。
一カ所だけ動きが悪くなっているところや、停滞しているところがあっても疲労は全身に感じるのです。

疲労は部分に起こるもの
全身で疲労感を感じている人を操法したあと、楽になったとか軽くなったとか言ってもらえますが、全身を緩めたわけではありません。
つかえて、停滞している場所を緩めているのです。
緩めることも大事なのですが、本当に大事なのは、なぜその部分に負担がかかるのか、その部分だけ硬直してしまうのか、なのです。
疲労とは体の偏った使い方によって引き起こされるものです。
体型の特徴や使い方の癖が、体に偏りを作ります。
同じ仕事をしても、ある人は腰が痛いと言い、ある人は肩が痛いと言う。
それは使い方の違い、力の入れ方の違いが生み出すものです。
体の使い方の特徴によって、がんばって力を振り絞る時、焦点となるところができてしまうからです。
てこの原理で言えば支点になる場所です。体も同じなのです。
動きの焦点になった部分は、常に酷使され疲労して、動きが停滞します。
体にとって動きの焦点となる部分が停滞すると、動き全体がままならなくなります。
焦点になった部分以外は、元気で力がまだまだあるのに、力の焦点となる一カ所が動けなくなったために、全身疲労に襲われる。
だから、動かない焦点を緩めれば、体はまた復活して元気になります。
疲労感が起こらない体づくり
なぜ、いつも同じ場所に過度の力が加わるのかを検証する必要があります。
動きの焦点を作るのは無意識です。
実は体の動きのほとんどは無意識に支配されています。
「どこへ行こう」とか「なにをしよう」とかを決定するのは意識ですが、
実際の行動を実行しているとき体の動きをまとめているのは無意識です。
無意識が作る動きの焦点ですが、意識で変化させることもできます。
体の使い方、立ち方、視線の位置、歩き方、さらに水分や塩分の摂取状態も力の焦点に関わる問題です。
その一つ一つをチェックして、無理な焦点、無駄な力がないように変えて行く。
元気になるためには、疲労感の起こらない体作りが大切です。
痛い場所をマッサージして揉みほぐせばOKという問題ではありません。