秋に咳する人が増える理由

ようやく秋の気配を感じてきましたね。
気候は年々厳しさを増しています。
そのために体調を壊す人も増えています。
しかし、嘆いていても仕方ありません。どうにか対処しなければなりません。

秋は肺が活性化する季節

東洋医学では秋は肺が活性化する季節です。
秋は冬に向けての準備期間、夏から冬への移行期です。
寒さに耐えられる体になるためにはまず皮膚の引き締めが必要です。
毛穴が開き表面積が広がり、皮膚呼吸も十分できていた夏の皮膚が、冬用の皮膚になるためには、肺が活性化して収斂を誘導しなければならないのです。
秋の気配を感じ、にわかに頑張り始めた肺は、まず溜まっていた老廃物を吐き出そうとします。痰が出、咳になります。そして、きれいになった肺が、しっかり呼吸できるようになる頃、皮膚は引き締まり冬を迎えられるようになります。

風邪かな?

なんだかやたらに咳が出る。

痰が絡む。

そうなるとたいていの人は風邪を引いた、と思うでしょう。

季節の変わり目で、天候も不順。温度差も激しい。

「こりゃやっぱり風邪ひいた。風邪薬飲んでおこう。」

体全体をよく観察してみてください。

それ、本当に風邪ですか?

季節の変化に適応するための自然な体の反応かもしれません。

もしそうだとしたら、風邪薬は無用です。

 

自分の力を信じましょう

医学が進歩して、病院も身近にあります。

テレビでは連日健康番組が放送され、

「肩こりに隠された本当は怖い病気」などというテーマで、私たちを脅かします。

たしかに軽い症状に隠れた重い病気などという場合もなくはありません。

しかし、圧倒的に多いのは「用心のために」と飲んだ薬による弊害です。

病気は自分の力で治すもの。薬はあくまでも「助け」です。

必要ではないのに「用心のため」と飲んだ薬は「助け」ではなく「害」になることを知っておいてください。

季節に応じて体は変化します

健康な人の場合、自然の働きです。

季節に適応するために起こす体の自然な働きを、病気として分類するのは不自然です。

もちろん、熱などの全身症状や長引く場合は別ですが、その時々で体が反応して適応のための変化を起こすのはごく自然です。

その一つが「秋口の咳」だと考えます。