喉の締まり感、痰のからみ ​

秋口は肺が活性化するために、咳の出ることが多いことは前回お話しました。
喉のトラブルは咳だけではありません。秋口に限らず年間を通して喉のトラブルに悩んでいる人は多いようです。
その代表が「喉の締まり感」と「痰のからみ」です。

「喉が締まって苦しい」

「喉を押されているような感じがする」
「ハイネックのセーターが苦しくて着られない」
「痰がからんでいる感じがする」
「咳払いをするが取れない」

「唐突に咳こむ」

神経がたくさん通っているデリケートな部分のトラブルですから、人によって感じ方はに多少の違いはありますが、共通するのは喉の違和感です。

原因は喉の外側にも​

喉の違和感の原因をたいていの人は喉の内側に問題があると考えるようです。実は違和感の原因は大きく分けると内側と外側に分けられます。
内側とは気道・食道の内側粘膜の問題。この代表が風邪です。
外側の原因は二つあります。
一つは甲状腺など食道の外側にある臓器の問題です。
違和感が長期にわたる場合は、食道の内側、甲状腺などしっかり検査して異常が無いか調べる必要があります。

もっとも多い原因は​

風邪でもない、検査しても異常がない、でも違和感は残っている。
この原因が外側の原因のもうひとつ、気道・食道を取り巻く筋肉、筋膜の問題です。
実はこれ、喉の違和感の一番多い原因なのです。

喉は小さく薄い筋肉の集合で出来ています。
頭を支えるのは僧帽筋や胸鎖乳突筋など比較的大きい筋肉ですが、その内側にある小さく細かい筋肉がデリケートな喉の動きを作り出しています。えんげ運動や声帯の運動を支える筋肉群です。

食道や気道を取り巻くようにあるこれらの筋肉群が、なんらかの原因で緊張すると中にある筒状の食道、気道を締め付けて喉の違和感となります。
これは「病気」というよりも「みぞおちが締まる」のと同じ過緊張によるものです。
では、喉の過緊張はなぜ起こるのでしょうか。

​呼吸を支える3つの横膜

心配事があったり、悩みがあると、みぞおちが締まってしまう人がいます。

締まりすぎて息苦しくなったり、横隔膜ヘルニアや逆流性食道炎になる人も。

「みぞおち」と呼ばれる横隔膜は、呼吸のたびに大きく動く膜です。ちゃんと動かなければ呼吸が正常にできません。

横隔膜を正常に動かすために、とても大事な働きをしているのが

骨盤の穴を支えるように張っている「泌尿器隔膜」と

喉の部分を天蓋状に蓋をする喉の筋肉群である「胸郭上口隔膜」です。

 

 

「胸郭上口隔膜」、「泌尿器隔膜」、「横隔膜」

この3つの膜は、連動して呼吸運動を作っています。

つまり、3つの膜のどれかが緩みすぎて力が抜けると、他の膜が締まって緩みを補おうとして過緊張になるという

関係にあります。

​立ち姿勢にも問題がある

立ち姿勢は足裏で体重を支え、腰が中心になるのが本来です。

しかし、腰に力が入らず、肩をいからせ顎に力を入れて支える姿勢の人がとても増えています。

デスクワーク、運動不足、頭脳労働重視、目の酷使、複雑な人間関係など、現代社会がもたらすものでは

あると思いますが、結果、肩、首周辺の筋肉が疲労し、過緊張を起こしている人がとても増えています。

また、年齢が上がるにしたがって、筋力の衰えが腰に力が入らない立ち姿勢を作っている場合もあります。

 

 

こんな姿勢で立っている人を見かけませんか?

腰の力が抜け、喉や顎に力を入れて立つ典型的な姿です。

心配しないでください

喉の締まり感、違和感は神経が集中した敏感な場所であるだけに、とても辛いものです。

そして、症状も感じ方の違いによって個人差が大きい部分です。

でも、全身のバランスを整え、過緊張を緩めてあげることで、必ず解決します。